【元消防士が解説】災害時に必要な靴とは?防災シューズの選び方と「普段履きスニーカー」の活用法

防災・消防

「災害が起きたら、玄関にある靴を履いて避難すればいい」

そう考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、地震や津波などの災害時には、普段とは違った危険が身の回りに発生します。

道路にはガラス片や木材、金属片などが散乱することがあります。建物の中でも、割れた食器や照明器具などによって、足元が危険な状態になることがあります。

私は長年、消防士として災害や事故の現場に携わってきました。

その経験から感じているのは、防災対策では「何を持って逃げるか」だけでなく、「何を履いて逃げるか」も考えておくことが大切だということです。

この記事では、災害時の靴選びについて、

  • 100円ショップなどで購入できる簡易シューズ
  • 防災用・踏み抜き防止シューズ
  • 普段履いているスニーカーやランニングシューズ

それぞれの特徴を比較しながら、家庭でできる足元の防災対策について解説します。

結論|災害時の靴は「履き慣れていて、安全に歩けるもの」が基本

災害時に使用する靴として、私が特に重視したいのは次の4点です。

  1. 普段から履き慣れている
  2. 脱げにくい
  3. 靴底がしっかりしている
  4. 安全に歩いたり、必要に応じて走ったりできる

この条件を考えると、家庭にある履き慣れたスニーカーやランニングシューズは、防災用として十分活用できます。

もちろん、防災専用シューズにも優れた製品があります。

大切なのは「高価な防災シューズを買うこと」ではありません。

自分や家族が、災害時に安全に移動できる靴を事前に準備しておくことです。

理由|なぜ災害時に「靴」が重要なのか

地震などの災害が発生すると、普段は安全な場所でも足元に危険が生じることがあります。

例えば、

  • 窓ガラスが割れる
  • 食器が落下する
  • 照明器具が壊れる
  • 家具が転倒する
  • 道路にガラスや瓦礫が散乱する
  • 水や泥で足元が見えにくくなる

といった状況です。

こうした場所を裸足で歩くのは危険です。

また、サンダルなどの脱げやすい履物では、瓦礫のある場所を移動する際に足元が不安定になる可能性があります。

災害時には、足を守りながら安全に移動できる靴を用意しておくことが重要です。

地震が発生すると、建物内や周辺でさまざまな危険が発生する可能性があります。

消防庁も、地震への備えとして日頃から防災対策を行い、地震発生時の安全確保や避難行動について考えておくことの重要性を示しています。

総務省消防庁「地震災害の予防」

消防庁では地震災害の予防について、緊急地震速報の訓練や住民の避難行動などについても紹介しています。

具体|災害時の靴選びで重視したい4つのポイント

履き慣れていること

防災用品として新しい靴を購入する場合に、忘れてはいけないのが「履き慣らす」ということです。

靴は、同じサイズでもメーカーやモデルによってフィット感が異なります。

普段履いていない靴を、いきなり長時間履いて避難することになれば、靴擦れや足の痛みにつながる可能性があります。

そのため、防災用として靴を購入するなら、普段から実際に履いて足に馴染ませておくことをおすすめします。

これは防災シューズに限った話ではありません。

ウォーキングシューズやランニングシューズでも同じです。

脱げにくいこと

避難時には、足元が悪い場所を歩くことがあります。

そのため、簡単に脱げてしまうサンダルやスリッパよりも、足をしっかり固定できる靴のほうが安心です。

特に、

  • 靴ひも
  • 面ファスナー
  • しっかりしたフィット感

など、足を固定できるタイプは避難時の靴として使いやすいでしょう。

ただし、靴ひもが長すぎたり、ほどけた状態になっていたりすると、逆に転倒の原因になることもあります。

普段から正しく履くことも大切です。

靴底がしっかりしていること

災害時の足元には、普段とは違う危険があります。

特に地震の後は、ガラス片や金属片、木材などが道路や建物内に散乱する可能性があります。

そのため、薄く柔らかすぎる履物よりも、ある程度しっかりした靴底を持つ靴のほうが安心です。

ただし、一般的なスニーカーが「絶対にガラスや釘を防げる」という意味ではありません。

踏み抜き防止性能が必要な環境では、安全靴など専用の装備が適しています。

歩きやすいこと

災害時には、長い距離を歩いて避難しなければならないケースもあります。

そのため、単純に「頑丈だから良い」というわけではありません。

重量がありすぎたり、足首が動かしにくかったりすると、長時間の移動では負担になることがあります。

防災用の靴を選ぶときは、

「安全性」と「動きやすさ」のバランス

を考えることが重要です。

防災用の靴を3タイプで比較してみる

ここでは、家庭で準備しやすい3種類の靴について考えてみます。

種類安全性歩きやすさ履き慣れ防災用途
簡易シューズ・室内履き補助用
踏み抜き防止シューズ△〜○災害・作業現場向け
普段履きスニーカー非常に使いやすい

※評価は製品によって異なります。あくまで一般的な特徴を比較したものです。

100円ショップの簡易シューズは防災に使える?

100円ショップなどでは、コンパクトな簡易シューズや室内履きが販売されています。

こうした商品は、

  • 軽い
  • コンパクト
  • 安価
  • 防災バッグに入れやすい

というメリットがあります。

一方で、商品によっては靴底が薄かったり、柔らかかったりするため、ガラス片や瓦礫がある屋外を長時間歩く用途には向かない場合があります。

そのため、私はこうした商品を「避難時のメインシューズ」ではなく、補助的な履物として考えるほうが良いと思います。

例えば、避難所での室内履きとして利用する方法です。

購入する場合は、実際の商品を確認し、

  • 靴底の厚さ
  • 滑りにくさ
  • 脱げにくさ
  • サイズ
  • 耐久性

などを確認してください。

なお、ここで紹介する靴の評価は、私自身の消防士としての経験と、一般的な靴の特徴をもとにしたものです。災害の種類や避難する場所によって必要な装備は異なります。

地震や津波が発生した場合には、靴選びだけでなく、気象庁などが発表する防災情報を確認し、地域で指定されている避難場所や避難経路を事前に確認しておくことも重要です。

気象庁「地震から身を守るために」

気象庁では、地震・津波に関する防災情報や、地震から身を守るための情報を公開しています。

100均の備え(EVAパンプス)

  • 原産国:中国
  • 材質:本体:EVA樹脂
  • 商品サイズ:9.5cm ×25cm ×5.5cm
  • 価格:200円(税込220円)

履きやすさ、脱ぎやすさはピカイチらしいです。

そしてめちゃくちゃ軽く、オフィス履き用の軽いサンダルとしてはかなり優秀です。

靴の柔らかさも程よい塩梅。

しかし、サイドからムギュっとできるし、足にフンっ!と力を入れると足の力だけでグネっとなる。

また、踵も指に力を入れるとグネっとなるらしい…

踏み抜き防止シューズは必要?

災害時の足元の危険を考えると、踏み抜き防止機能を持ったシューズには大きなメリットがあります。

製品によっては、靴底に耐踏み抜き性を持たせた素材を使用しているものがあります。

ガラス片や釘などがある可能性を考えると、通常のスニーカーよりも足裏を保護できる可能性があります。

一方で、注意したいのが重量や履き心地です。

また、防災用として購入しただけで一度も履いていない靴を、長期間保管しておくのもおすすめできません。

靴は保管環境や経年によって状態が変化することがあります。

そのため、防災用シューズを購入する場合も、

「買って終わり」ではなく、定期的に状態を確認すること

が大切です。

そして可能であれば、購入後に実際に履いて歩き、足に合っているか確認しておきましょう。

Amazonの防災用・踏み抜き防止シューズ(3,000円〜6,000円)

  • 特殊機能:耐摩耗性
  • 留め具の種類:レースアップ
  • スポーツタイプ:ウォーキング
  • 特殊な用途:スポーツと仕事
  • 靴の種類:アスレチックシューズ
  • 耐水レベル:非防水
  • インソールクッション性:EVA
  • クッション性レベル:中程度

つま先部分にはガラス繊維強化樹脂製の軽量先芯を搭載し、安全性と軽量性を両立。

つま先の自由度を高めるため、人間工学に基ついて形状を設計されているので、つま先をしっかり保護してくれます。

危険な作業でも足の安全を守ってくれる、心強い味方で、配送・倉庫・メンテナンス・引越業におすすめの安全靴・作業靴です。

また、ケブラー材質で補強されたミッドソールは、1100Nの穿刺力に耐えることができる、足の裏は外部からの損傷にくい。

曲げるだけでなく、弹力性も従来の3倍、釘などの銳いものから足裏を守ります。

危険が多い屋外作業や現場仕事で活躍!土木·建築·機械製造など、より八ードな現場でも活躍。

屈曲性が高いソールは柔軟性抜群で、様々な動きに対応できます。

柔軟性優れたから、足のストレスを和らげて、作業中ー日立っても楽です。フットワークが必要な物流業や運送業にお勧めのシューズです。

私が防災用として重視する「普段履きスニーカー」

ここまで紹介した中で、家庭で取り入れやすい方法の一つが、普段から履いているスニーカーを防災にも活用することです。

特に、

  • ランニングシューズ
  • ウォーキングシューズ
  • 運動用スニーカー

などは、軽量で歩きやすく、普段から履いていれば足にも馴染んでいます。

もちろん、一般的なスニーカーには踏み抜き防止機能がないものも多いため、釘などに対して万能というわけではありません。

それでも、

「普段から履き慣れている」「脱げにくい」「歩きやすい」

という点は大きなメリットです。

私は、防災用品を準備するときに「防災専用品だけを揃える必要はない」と考えています。

普段使っているものを防災にも活用する。

この考え方なら、無理なく長く防災対策を続けられます。

普段履きのランニングシューズ

  • 特殊機能:通気性
  • スポーツタイプ:ランニング
  • 特殊な用途:スポーツ
  • 靴の種類:アスレチックシューズ
  • 耐水レベル:非防水
  • クッション性レベル:中程度以上

結局、普段から履いているランニングシューズが1番だと思います。

防災グッツとして最も頼りにしないといけない靴が履き慣れていない・・・

これでは安全・安心行動がとれません・・・

あなたなら自分の命を託す「靴」をどう考えますか?

実践|玄関だけでなく「枕元」に靴を置く

もう一つ、ぜひ考えてほしいのが靴を置く場所です。

「靴は玄関にあるから大丈夫」

と思っていても、地震直後に玄関まで安全に移動できるとは限りません。

例えば、夜間に地震が発生した場合です。

寝室から玄関までの床に、

  • 割れたガラス
  • 食器
  • 照明器具の破片
  • 家具の一部

などが落ちている可能性があります。

そこで、寝室には足を保護できる履物を準備しておくという方法があります。

おすすめなのは、普段履いているスニーカーなどをベッドの近くに置いておくことです。

ただし、地震の揺れで靴が家具の下などに入り込む可能性もあります。

そのため、置き場所は、

「ベッドから手が届きやすく、落下物の影響を受けにくい場所」

を選びましょう。

枕元に置くなら「古い靴」でもいい?

ここで注意したいのが、古すぎる靴です。

「履き慣れているから」という理由だけで、何年も使い続けた靴を防災用にするのはおすすめできません。

靴底がすり減っていたり、素材が劣化していたりすれば、本来の性能を発揮できない可能性があります。

枕元に置く靴は、

「履き慣れているけれど、まだ十分に使用できる状態の靴」

を選ぶのがポイントです。

そして定期的に状態を確認してください。

家族分の「避難用の靴」を決めておこう

防災対策では、自分の靴だけを準備して終わりにしないことも大切です。

家族がいる場合は、それぞれの靴を準備しておきましょう。

特に子どもの場合は、成長によって靴のサイズが変わります。

そのため、

  • サイズが合っているか
  • 靴底がすり減っていないか
  • 靴が壊れていないか
  • 履き慣れているか

を定期的に確認します。

防災用品と一緒に、**「避難用の靴も定期点検する」**という習慣を作っておくと安心です。

防災シューズ選びで避けたい3つの考え方

防災用の靴を選ぶとき、私は次の3つを避けることをおすすめします。

「高ければ安全」と考える

価格が高いことと、自分にとって使いやすいことは別です。

必要な性能を確認し、自分の足に合うものを選びましょう。

「買ったから安心」と考える

防災用品は購入しただけでは十分ではありません。

実際に履いてみて、サイズやフィット感を確認してください。

「玄関に靴があるから大丈夫」と考える

夜間の地震などでは、玄関まで安全に移動できない可能性があります。

寝室など、必要な場所にも足元の備えを考えておきましょう。

元消防士の私が考える「防災用の靴」の答え

防災シューズには、さまざまな種類があります。

踏み抜き防止機能を持った靴には、一般的なスニーカーにはないメリットがあります。

一方で、すべての家庭で専用の防災シューズを用意しなければならないわけではありません。

私が家庭の防災対策として重視したいのは、

「履き慣れていて、脱げにくく、歩きやすく、靴底がしっかりした靴」

です。

その条件を満たす普段履きのスニーカーがあるなら、それを防災にも活用する方法があります。

そして、地震が起きたときに玄関まで移動できない可能性を考え、寝室にも靴を準備しておく

これだけでも、足元の防災対策は大きく変わります。

まとめ|防災は「足元」から考えてみよう

災害が起きたとき、私たちは「非常食」「水」「モバイルバッテリー」などに目が向きがちです。

しかし、安全に避難するためには、自分の体を安全に移動させることも重要です。

今回のポイントをまとめます。

  • 災害時はガラスや瓦礫などで足元が危険になる可能性がある
  • 裸足や脱げやすい履物での避難は避けたい
  • 防災用の靴は「履き慣れていること」が重要
  • 踏み抜き防止シューズには専用のメリットがある
  • 100円ショップなどの簡易シューズは補助用として考える
  • 普段履いているスニーカーを防災に活用する方法もある
  • 夜間の地震に備えて、寝室にも靴を準備しておく
  • 靴も定期的にサイズや劣化をチェックする

防災対策というと、特別な道具を買うことを考えがちです。

でも、まずは今持っている靴を一度見直してみることから始めてもいいでしょう。

「この靴なら、夜中に地震が起きても安全に外へ出られるだろうか?」

そう考えてみるだけでも、防災への意識は変わります。

あなたの家庭では、避難するときに履く靴を決めていますか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました